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2012年

12月

27日

児童養護ニュース20121228

◆平成242012)年1225日 毎日新聞 東京朝刊

 休職教員:「心の病」5274人 11年度公立校、高水準続く--文科省調査

 

 文部科学省は24日、うつなど心の病で11年度中に休職した教員は5274人だったと発表した。2年連続で減少したものの、10年前(02年度2687人)の約2倍で、08年度から5000人を超える高い水準が続いている。同省は「学級を一人で受け持ち、保護者との関係の悩みなどを同僚や上司に相談しにくい状況が依然あるのではないか」と分析。今年度中に対策を検討する。一方「教える内容に誤りがある」など指導が不適切と認定された教員は168人いた。(社会面に関連記事)

 全国の公立小中高校と特別支援学校、中高一貫校の教員約92万人を調査した。心の病による休職は18年ぶりに減少(51人)した10年度(5407人)から、さらに133人減った。50代以上が最多で2037人(39%)。401712人(32%)▽301103人(21%)▽20422人(8%)。全体の教員数が最も多い小学校(約41万人)が2347人で最多だった。同省初等中等教育企画課は「憂慮すべき状況で、教員の相談窓口を校内に設置するなどの対策が必要だ」としている。心の病を含む全体の病気休職者は8544人で10年度から116人減り、19年ぶりに減少した。

 一方、指導が不適切と認定されたのは10年度の208人から40人減った。「学習指導要領が理解できず指導計画が立てられない」(30代女性・小学校)▽「常に指示待ちで書類を作成できない」(40代男性・小学校)▽「生徒に対しマイナスの発言が多い」(50代女性・中学校)――などのケースがあった。168人のうち108人が研修を受け47人が現場に復帰。24人が依願退職するなどした。

同省は同時に11年度に懲戒処分を受けた教員数も発表した。10年度から45人減の860人で、交通事故(326人)が最多。わいせつ行為(151人)が次に多く、被害者のうち77人は自校の児童生徒だった。

 

 

◆平成242012)年1223日 読売新聞 東京朝刊

 「0歳児保育」 見直す動き 高コスト、育休切り上げ増加

 

 待機児童が多い大都市で、認可保育所の0歳児保育のあり方を見直す動きが注目されている。本来1年間はとれる育児休業を早めに切り上げ、入所しやすい0歳から預ける親が増えているためだ。人手がかかり財政負担の大きい0歳児保育を縮小し、より需要の高い1歳児に定員を振り替える自治体も出てきた。

 「育児休業取得率が全国で約9割に上る中、入所希望が集中する1歳児の定員を増やし、限られた財源を有効に使いたい」。政府の子育て施策検討会の委員を務めてきた東京都三鷹市の清原慶子市長は話す。1956年から0歳児保育を始めた同市では来年度、0歳児を受け入れる市立保育所15園中2園で0歳児の募集を停止し、経費や設備を1、2歳児の定員の拡充に充てる。同市の今年4月時点の待機児童は128人で、9割近くを1、2歳児が占めた。育児休業法では、子どもが1歳になるまで休業でき、1年半~2年休める企業もあるためとみられる。一方、0歳児は、地域によっては欠員が出た。全国の待機児童は同時点で約25000人で、約7割を1、2歳児が占める。同市で昨年、0歳児を預ける保護者にアンケートをしたところ、0歳から預けた理由として約半数が「1歳からに比べ入りやすいと思った」と答えた。「育休期間を短縮して職場復帰している実態があり、保護者の需要に適切に対応する必要があると考えた」と同市の担当者は話す。ただ0歳児保育は、職場や家計の事情などで必要な家庭の要望に応えるため、今後も公私立保育所で継続するという。乳児対象の保育ママ制度や家庭的な小規模保育、在宅で子育てする人の支援も充実させていく方針だ。

 東京都社会福祉協議会の調査でも、都内の認可保育所利用者約3200人の育休取得期間は平均9か月で、取得可能だった期間の平均17か月を大きく下回る。休業を切り上げた理由として約半数が「1歳での入所が難しい」ことを挙げ、「職場の状況」「家計の問題」を上回った。保育所整備を進めてきた都市部の自治体には、人手や経費のかかる乳児保育への負担感が広がっている。都内のある区では、私立保育所の新設時に「無理して0歳児保育をしなくていい」と説明しているという。だが、経営のため、補助金の手厚い0歳児保育を実施したがる私立保育所が多く、「1歳からの入所が難しくなっている」と担当者は打ち明ける。

 

 ◇1歳児の定員拡充 必要に

 社会保障・税一体改革で、民主、自民、公明の3党は今夏、消費税増税分から7000億円を保育所整備など子育て支援に充てることで合意した。このため、新政権が発足しても子育て支援政策に大きな変更はないとの見方が強い。ただ、今回の衆院選で自民党は待機児童解消などに加え、「0歳児に親が寄り添って育てることのできる環境の整備」を公約に盛り込んだ。育休制度の推進などを念頭に置いたものというが、同党は「子育ての第一義的責任は家庭で持つ」を基本としており、「社会で子どもを支える」としてきた民主党の理念とは異なる。このため、専門家の間には、今後、三鷹市のような0歳児保育抑制の動きが加速するのではないかとの見方もある。白梅学園大教授(保育学)の無藤隆さんによると、育休制度や休業中の所得保障が整う北欧などでは、1歳までは家庭でみるのが基本という。「0歳児に長時間の良質な集団保育を行うのはコストがかかる。保育ママなどの家庭的環境での保育による対応や、保育所の補助金制度などを工夫し1歳児の定員を拡充することも必要だ」と指摘する。

 

 〈0歳児保育〉

 4月1日時点で1歳未満の子が対象。国の基準で3人につき保育士1人の配置が必要だが、1、2歳児は6人につき保育士1人。東京都内の認可保育所の場合、0歳児1人あたりの公費支出は月40万円程度に上り、1、2歳児の約2倍。

 

 

◆平成242012)年1222日 東京新聞 朝刊

 社説 児童養護施設 育ちの場に「家庭」を

 

 親と離れた子が暮らす児童養護施設が家庭的な場となるよう、国は集団生活型から小規模型への改修を計画している。養育上の困難を抱えた子が増えている。職員を増やさないと掛け声倒れになる。

 小規模施設の先行例がある。埼玉県加須市の「光の子どもの家」。敷地にいくつもの「家」が建てられ、四十五人の子どもが「家族」と見なされたグループに分かれて暮らす。同じ職員が親のように養育を受け持ち、眠る時には本を読み聞かせる。食事も家庭ごとに。日々の営みは実の親との関係が壊れた子にとって、再び人間関係を築くための大切な時間だ。職員は子どもにとって「自分のためにいる愛着を受け止めてくれる人」となるからだ。こうしたきめ細かな事業を行うには人手が必要だ。だが、国の職員配置基準は三十年前から変わらない。「職員一人に対し、子ども六人」。諸外国に比べて低い水準だ。このため、子どもの家では「職員一人でほぼ四人」となるよう、バザーなどを続けて、加配分の人件費を捻出してきた。

 児童養護施設を小規模型に作り替えるという議論は十年前、増え続ける虐待の合わせ鏡として始まった。施設は全国に五百七十九カ所、その七割は二十人以上の集団生活型だ。約三万人が保護されているが、半数以上は親から虐待を受けた子。核家族時代に養育できない親が増え、その連鎖がまた虐待を生む。児童相談所に通告された虐待は年間六万件だが、施設に保護されるケースは一割しかない。施設が常に満杯だからだ。家庭でより深刻な問題を抱えた子が選ばれるようにして入ってくるのに、脆弱(ぜいじゃく)な職員体制では一人一人に向き合えない。厚生労働省もやっと来年度予算要求に施設小規模化の整備費を盛り込んだ。だが、改修に数千万から数億円がかかる。二の足を踏む施設も多い。 

大人数の雑居部屋で子どもたちは安らげず、いじめも深刻という。職員による虐待もある。国は法改正で施設内の虐待対策を講じてきたというが、昨年度は四十六件が報告された。職員の資質だけでなく、人手不足や居住環境の悪さも遠因となっている。施設は原則十八歳で退所しなくてはならない「十八歳の壁」もある。ケアを必要とする子は社会の姿を映す。里親制度の拡充も含めすべての子どもの発達を保障できる方策が急がれる。自分で声を上げられない子を犠牲にしてはならない。

 

 

◆平成242012)年1221日 毎日新聞 地方版

 ひまわりが咲く日:児童虐待を追う 現場最前線/3 「保護せねば命危なかった」 /奈良

 ◇強制調査備え警察と訓練も

 

 本当は妊娠したくなかった――。20代後半の母親。妊娠を届け出るために、ある市役所を訪れた際、職員にふと漏らした。夫から家庭内暴力を受けているようで、うつ状態だった。市が家庭訪問などの支援を続ける中、今春に出産。でも、「子供が可愛くない」。拒否的な態度は変わらなかった。そして、約1カ月後、母親が打ち明けた。「つねったことがある」。市は県中央こども家庭相談センター(児童相談所)に通告した。

 

 ◇乳児に多数のあざ、児相一時保護決断

 同センターこども支援課職員が自宅に行き、母親に「赤ちゃんを確認させてほしい」と伝えると、あっさりと中に。しかし、そこで職員が見たのは、太ももや背中に多数のあざや内出血がある、赤ちゃんの痛ましい姿だった。現場からの急報を受けセンターで緊急会議が開かれた。放っておけば重大な事態に発展する恐れがある。児童福祉法は、児相の所長か知事が必要と認める場合、親権者の同意の有無にかかわらず、子供を保護できると定めている。同課職員数人と話し合い、所長の出した結論は「一時保護する」。同課長の廣岡幸夫さん(51)は「保護に動かなければ、赤ちゃんの命は危なかった」と振り返る。

 一時保護はこのようにすんなりと成功する場合ばかりではない。家庭に入るため、警察の力を借りなければならないこともある。児相と県警は先月、合同で立ち入り訓練を初めて行った。親が暴力的など、児相職員が身の危険を感じるようなケースでは、警察官の同行を求めて家庭訪問をする。県内では年数回に上るという。子供の安全確認を保護者が拒否し続けた場合、裁判所の許可を得て、児相がドアチェーンなどを切ってでも、強制的に立ち入り調査ができる「臨検・捜索」。この訓練も実施した。奈良では実際にはまだ、起きていないが、児相側からは、警察との訓練で「将来に備えることができた」という声が上がった。

 

 ◇共同生活の子供、強いストレスに

 「プルルル―」。センターで取材中、ひときわ高音の着信音が響いた。児相の全国共通ダイヤル(0570064000)にかかってきた電話だ。発信された電話の市内局番などから地域を特定し、最寄りの児相に転送する仕組みで、厚生労働省が0910月から運用している。共通ダイヤルは通常の電話に比べ、虐待通告の可能性が高い。廣岡さんは「以前はこの着信音が鳴ると緊張が走った」と話す。だが、同センターには現在、毎日、数件の通告が寄せられている。「今は高音の着信音にも慣れてしまった」。

 県によると、昨年度は虐待が原因で104人が一時保護された。そのうちセンターの一時保護所(定員12人)には年間54人が入所し、その他の子供は児童養護施設などに委託された。期間は、原則2カ月以内。その間に親との面談や生活環境の調査などを行い、その後の方針を決める。センターの一時保護所は4部屋。一部屋に3人が暮らす。各部屋に、A4判サイズくらいの紙が張られていた。「3回深呼吸する」「お茶を飲む」「その場を離れる」「数をゆっくり数える」「『「落ち着いて』と自分に言い聞かせる」――。ある職員は「子供たちがイライラした時に、落ち着く方法」と説明した。次の行き先が決まるまで、共同生活を送る子供たちは、強いストレスにさらされる。一時保護所で暮らす間は、学校や保育園に通うことはできず、職員から学習指導を受け、敷地内のグラウンドで遊ぶなどして生活する。突然、家から離されるため、服などの生活用品は貸し出しだ。いったん一時保護した子供を、どのように親に戻すのか。さらに困難な仕事が児相職員の前に立ちはだかっていた。(この項つづく)=次回は1月8日

 

 

◆平成242012)年1220日 朝日新聞 大阪地方版朝刊

虐待情報の提供、民間病院へも可 子からの臓器移植時 県審議会が答申 /富山県

 

 県個人情報保護審議会(細川俊彦会長)が18日に開かれ、18歳未満の子どもからの臓器移植の際に確認が必要な児童虐待に関する個人情報について「提供は適切」と認める答申をした。従来、提供が可能だった医療施設に加え、民間の医療施設からの情報照会にも対応が可能になった。

 改正臓器移植法では、虐待を受けた疑いのある子からの臓器提供が認められていない。18歳未満の子どもから臓器提供をする際には、虐待がなかったかを児童相談所などに確認する必要があるが、富山大病院で6月にあった6歳未満男児からの臓器提供では、確認に時間を要したことが課題になった。県内では、18歳未満の子どもからの臓器提供ができる医療施設は、県立中央病院と富山大病院、厚生連高岡病院の三つ。このうち、県立中央病院と富山大病院では、県個人情報保護条例に基づき、児童相談所や厚生センターが臓器提供に必要な虐待情報を提供できる。一方、同条例では民間の医療施設についての規定がなく、厚生連高岡病院に必要な情報を提供できなかった。県の諮問を受けた同審議会は、虐待情報の提供は「『公益上の必要その他相当な理由があると認められる場合』に該当する」と答申。この結果、同病院を含め、臓器移植に際して県内外の民間医療施設からの児童虐待に関する情報照会への対応が可能になった。県は今後、情報の取り扱いについて詳細な規定を作り、医療施設などと調整を進める。