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働きながら社会を変えるービジネスパーソン「子どもの貧困」に挑むー(英治出版・槙泰俊)

久々の書評です。 タイトルからは社会起業系の本に見えるが違う。

 

児童養護施設に住み込みまでして、 モルガンスタンレーという大企業にもいた経験のある著者が、マイクロファイナンスを通じて 児童養護施設を援助すると方法を選択するに至った経緯、自分の仕事をすることで税金を納め、 児童養護施設への支援へつなげる。

または著者のNPO法人LIVING IN PEACEに寄付すると、 寄付は、運営費に6%しか使われないので多くの額を児童養護施設に寄付できる。といった内容である。

 

ただ、若干事実誤認がある。施設退所後の支援は2002年の児童福祉法改正で退所後の支援は自立援助ホームも含め3年だった。しかし、それでは不十分とされ2009年に必要があれば退所後の年数にかかわらず必要に応じ支援をするようになった。その結果、社会擁護当事者支援団体「日向ぼっこ」や「ゆずりは」ができた。  

 

それでも、ビジネスパーソンが一週間住み込みをして見た光景が彼の人生を変えたのだろう。 児童養護施設に1週間住み込みで子どもたちと過ごすことでしか見えないものがある。

 

それは、僕も二週間住み込みで取材したことがあるので知っている。 来年は、社会福祉士の実習で1ヶ月みっちり児童養護施設にいることも決まった。 児童養護施設の問題は、厚生労働省・文部科学省・法務省の三つが大きく関わることになる。 もちろん、ここに財務省も加わる。

 

だからこそ民間でも自分が関われることを続けることが重要なのだ。本業に打ち込むこと。 そして、余裕があれば児童養護施設に定期的に訪問しボランティアすること。 それが、子どもたちのためになる。 ただし、児童養護施設は子どもの権利条約に違反している体制であることは、明記しておく。

 

なるべく速やかに里親制度やグループホームなどの少人数のケア体制への移行が望ましいと個人的には思う。

10年前子どもが乳児院に入所したときから色々関わってきて、取材やボランティアで関わる者としてファイナンスの部分の記述は興味深かった。子どもたちの記述に関しては、どうしても物足りなさを感じた。それは僕の経験にも起因するもので、児童養護施設の入門書の次に読むには最適である。